作り手のつぶやきコラム no.2

「懐かしさ」について。

秋の空気を吸うと、「懐かしさ」を感じます。

遠足の朝、運動会の午後。

夏休みが終わった、切ないような

区切りがついたような。

すがすがしさと

ひんやりした空気のにおいが、記憶の扉を開けてくれる。

そんな空気に含まれる「日常の香り」も、大好きです。

家々から漂う夕食づくりのにおい、田んぼや畑の土っぽい香り、

帰り道の木々の葉っぱ。

ごく短い期間、キンモクセイの甘い香り。

懐かしさのきっかけ。

「懐かしいな」と感じるきっかけは、においの他にも。

昔の写真はもちろんのこと、

学生時代によく聞いた歌が流れてきた時、

スーパーで見かけた、復刻版のお菓子…

毎日通っていた場所を久々に歩いたとき。

個人的には

実家近くの、学校放送を耳にしたときや、

おばあちゃんちと似たお家を見かけると

すごく、懐かしい気持ちになります。

「時間軸」を旅する。

懐かしさに浸ること。

それは「時間軸を旅する」ことだなとつくづく感じます。

一瞬で、“あの頃” の気持ちや景色が蘇る。

お金をかけずに、近所のお散歩中でも、通勤途中でも

天気が悪くても、ベットの上でも。

気軽に出かけられる旅。

懐かしさに浸ることは「回想法」の一つでもあり

脳の活性化や認知症予防にも効果的とのデータも。

ちょっぴり切なさ感じるこの季節。

「懐かしさに浸る旅」に出かけてみませんか?

おまけ:おすすめ読書。

読書の秋。

お守りBOOK作り手の、おすすめの一冊をちょこっとご紹介します。

「回想のすすめ」著:五木寛之

「青春の門」「大河の一滴」などの著書で有名な作家、

五木寛之さんが、回想することの意義に触れた一冊です。

自身の体験や、著名人との対話を通して感じた“過去を振り返る”

ことのエッセンスを凝縮しており、

自身の過去を振り返りながら読み進められます。

「回想こそ、個人にとっては失うことのない貴重な財産」

「過去を振り返り、未来への足固めをする。思い出を咀嚼する貴重な時間」

ー懐かしさに浸る時間のお供に、是非。